海士の祭り

 海士町では、各地区ごとに氏神(うじがみ)が祀(まつ)られており、祭りでは神輿(みこし)がその地区を練(ね)り歩きます。時期的(じき てき)には夏が祭りのシーズンです。近年(きんねん)までは、7月になると、それぞれの地区で毎年神輿が練り歩く風景が見られました。ところが、人口が減 少(げんしょう)し神輿の担(かつ)ぎ手が少なくなったこと等々の関係(かんけい)で、それぞれの地区で隔年(かくねん)や何年かに1回等(とう)のきま りを作って神輿がかつがれるようになってきています。

 海士の祭りは、2日間にわたって行われることが一般的(いっぱんてき)です。最初の日に神輿は、神社を出発して地区を練り歩き、御仮屋 (おかりや)と呼ばれる場所(ばしょ)に向かいます。この御仮屋は地区により、公民館だったり、専用(せんよう)の建物(たてもの)があったりします。御 仮屋に神輿が入ると、そこに一晩(ひとばん)飾(かざ)られ、神楽(かぐら)が奉納(ほうのう)されたりします。

 2日目は、神輿が御仮屋を出発して、地区を練り歩いた後に、神社に向かいます。神社ではなかなかすんなりと建物に入りません。境内でひとしきりもみあった後に、神輿が本殿に入って祭りが終わりとなります。





神輿が通る道筋(みちすじ)の家では、ビールや冷たい飲み物などを準備して、神輿の担(かつ)ぎ手にふるまいます。

神輿(みこし)をかつぐ時の掛(か)け声も海士独特(あまどくとく)です。その掛け声は「チョーヤッサー」です。この声が聞こえてくると、近くまで神輿が来ているとわかります。

地区によっては子供神輿(こどもみこし)もあります。

 又、海士の祭りでは、笛、太鼓(たいこ)、鐘(かね)にあわせて歌が歌われます。更に、神社や御仮屋、途中の道々で神楽が舞われます。 神輿の行列には先頭(せんとう)で道中(どうちゅう)を清(きよ)める役割(やくわり)を担(にな)った先払(さきばら)い、獅子(しし)が、最後尾に後 払(あとばら)いがおり、神楽を舞います。尚、この歌や神楽も地区により、少しずつ異なります。

獅子や先払いなどを見ると、中には泣き出してしまう子もいますが、こうして獅子に頭を噛(か)まれると賢(かしこ)くなるといわれています。

 上記の祭りのほかにも海士には長年守られてきた独特の祭りが残っています。その一つが豊田地区で行われるホーランエンヤです。松江で 数年に一度行われるホーランエンヤは日本の三大船神事(さんだいふなしんじ)に数えられていますが、豊田のホーランエンヤも海士らしい祭りです。

 神楽、神輿、先払い等は他の地区の祭りと同様(どうよう)ですが、大きな違(ちが)いは、神輿が船に乗せられて地区内にある港を回ります。又、神輿が載(の)った船を、地区の男たちが櫂(かい)で漕(こ)ぐ舟で引っ張ります。

左の写真をクリックすると、動画でご覧(らん)いただけます。
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 その他では、崎地区で数年に一度(いちど)行われるだんじりがあります。この祭りでは、子供たちが太鼓を叩きながらのる台を男たちが担(かつ)いで地区を練(ね)りあるくものです。崎地区は坂道(さかみち)が多い地区ですので、子供たちが落ちないように体を台にくくりつけて行われます。

 伝統的(でんとうてき)な祭りの他にも、新(あら)たな祭りも誕生(たんじょう)しています。それがキンニャモニャ祭りです。この祭 りは、年に始まりました。海士の代表的(だいひょうてき)な民謡(みんよう)であるキンニャモニャを地区や職場毎(しょくばごと)に衣装(いしょう)をそ ろえて踊(おど)り歩く祭りです。毎年、8月の後半の土曜日に、島の玄関口(げんかんぐち)であるキンニャモニャセンターを中心に行われます。